特殊車両通行許可とは?要る場合と申請の流れ
目次
大きい荷物の依頼が来た。車には積めるが、その車で道路を通ってよいのか。一定の大きさや重さを超える車両が道路を通るには、許可が要ります。申請から許可までに時間がかかるので、依頼を受けてから動くと間に合わないことがあります。
この記事では、特殊車両通行許可を、要る場合、申請の先と流れ、期間と費用、許可を受けたあとの条件、社内の段取りの順に整理します。制限の値と手続きは道路と車両で変わります。自分の車両と経路に何が適用されるかは、道路管理者に確認してください。
結論:道路には通れる車両の限度があり、超えるなら許可が要る
道路には、通行できる車両の大きさと重さの限度が定められています。これを超える車両は、通行の許可を受けることになります。
分かれるのは3つです。
1つ目は、車両そのものが超える場合です。トレーラ、重機を運ぶ車両。車両の構造として超えています。
2つ目は、積んだ荷物で超える場合です。分割できない荷物を積むことで超える形。
3つ目は、単に積みすぎている場合です。これは過積載で、許可では解決しません。
3つ目を混同しないでください。分割できる荷物を積みすぎているだけの場合、許可を取ることはできません。判断に迷うものは、道路管理者に確かめてください。
限度の値
一般的な制限として定められている値があります。超えるかどうかを、まず確かめます。
見るのは5つです。
1つ目は、幅です。
2つ目は、長さです。
3つ目は、高さです。
4つ目は、重さです。総重量と軸重。
5つ目は、最小回転半径です。
具体的な数値は道路と条件で変わります。高さについては、指定された道路では扱いが違うことがあります。自分の経路でどうなるかは、道路管理者に確かめてください。
申請の先と流れ
申請は、通る道路の管理者に対して行います。
流れは4段です。
1つ目は、経路を決めることです。出発地から目的地まで、通る道路を特定します。
2つ目は、必要な書類をそろえることです。車両の諸元、経路の図、通行の期間。
3つ目は、申請することです。オンラインで申請する仕組みが用意されています。
4つ目は、許可証を受け取ることです。許可証は車両に携行します。
1つ目に時間がかかります。道路の管理者は、国、都道府県、市区町村と分かれています。複数の管理者にまたがる経路では、まとめて申請できる仕組みがあります。詳しい手続きは道路管理者に確かめてください。
期間と費用
許可までの期間は、経路の長さと管理者の数で変わります。
押さえるのは4つです。
1つ目は、標準的な処理の期間です。公表されていますが、混雑の状況で延びます。
2つ目は、経路が複雑なほど延びることです。管理者が増えると、その分だけかかります。
3つ目は、手数料です。経路と車両の組み合わせで決まります。
4つ目は、許可の有効期間です。期間が定められています。期限が切れる前に更新します。
1つ目を見込んで動いてください。依頼を受けてから申請すると、許可が下りる前に運行の日が来ます。よく使う経路は、あらかじめ申請して持っておくという考え方があります。
許可を受けたあとの条件
許可には、条件が付きます。守らないと、許可の意味がなくなります。
よくある条件は4つです。
1つ目は、通行の時間帯です。夜間に限る、といった指定。
2つ目は、誘導車の配置です。前後に誘導の車を付ける。
3つ目は、通行の方法です。徐行、特定の橋での単独通行。
4つ目は、許可証の携行です。車両に積んでおきます。
2つ目は費用と人手に直結します。誘導車が必要な条件が付くと、その分の車と人を用意することになります。見積もりの段階で、この費用を入れておいてください。
社内の段取り
特殊車両の運行は、普段の運行とは段取りが違います。
決めるのは4つです。
1つ目は、誰が申請するかです。担当を決めます。
2つ目は、依頼を受けてから運行までの日数の目安です。「許可に◯週間かかるので、◯日前までに依頼をもらう」と、営業の担当に伝えておきます。
3つ目は、許可証の管理です。どの経路の許可を、いつまで持っているか。
4つ目は、条件の周知です。運転者に、付いている条件を伝えます。
2つ目を営業に伝えておいてください。「明日運びたい」という依頼を受けてしまうと、断るか、許可を取らずに走るかという選択になります。先に日数を伝えておけば、受注の段階で調整できます。
許可証の管理
許可は、経路と車両の組み合わせごとに出ます。数が増えると分からなくなります。
管理するのは4つです。
1つ目は、一覧です。経路、車両、有効期間、条件。
2つ目は、期限の管理です。切れる前に更新します。
3つ目は、車両への携行です。許可証を車に積みます。
4つ目は、条件を書いた紙です。許可証と一緒に、条件を分かりやすくまとめた紙を積んでおくと、運転者が確かめられます。
4つ目があると、現場で迷いません。許可証そのものは読みにくいことがあります。「この経路は夜9時から朝6時まで。誘導車は前1台」と書いた紙を1枚添えてください。
違反したときに何が起きるか
許可を受けずに通行した場合、事業者の責任が問われます。
起きるのは4つです。
1つ目は、その場での措置です。通行の中止、荷物の積み替え。
2つ目は、罰則です。
3つ目は、事業者への処分です。行政処分の対象になることがあります。
4つ目は、道路を傷めた場合の負担です。橋や舗装に損傷を与えた場合。
4つ目は金額が大きくなることがあります。橋の損傷は、修理の費用が高額です。許可を取らずに通ることは、経営の判断として割に合いません。
経路の下見をする
大きい車両の運行では、図面だけでは分からないことがあります。下見が効きます。
見るのは4つです。
1つ目は、高さの制限です。高架、トンネル、看板、信号機。図面に出ていない障害物があります。
2つ目は、曲がれるかです。交差点の形、道幅、電柱の位置。
3つ目は、停められる場所です。待機する場所、誘導車が並べる場所。
4つ目は、時間帯による混雑です。通学の時間、工事の時間。
2つ目は実際に行かないと分かりません。地図では通れそうな交差点でも、電柱や標識で曲がれないことがあります。初めての経路では、乗用車で1回走っておくだけで、当日の事故が減ります。
許可の取り方を社内で共有する
申請は、担当者1人しか分からない状態になりがちです。
残すのは4つです。
1つ目は、申請の手順です。どこで、何を、どう出すか。画面の写真を付けておくと分かります。
2つ目は、必要な書類の一覧です。車両の諸元表、経路の図。
3つ目は、過去の申請の記録です。経路、期間、条件、手数料。
4つ目は、相談した先と担当者です。道路管理者の窓口。
3つ目が次の申請を速くします。同じ経路の申請なら、前回の内容をそのまま使えます。担当者が替わっても、記録があれば続けられます。
有効期間と更新の管理
許可には期間があります。切れたまま走ると、許可が無いのと同じです。
管理するのは4つです。
1つ目は、期限の一覧です。経路と車両ごとに、いつまでか。
2つ目は、更新を始める時期です。処理に時間がかかるので、期限の数か月前から動きます。
3つ目は、更新のときに変わることです。道路の状況が変わっていると、条件が変わることがあります。
4つ目は、使わなくなった経路の整理です。取引が終わった経路の許可は、更新しないという判断もあります。
2つ目を車検と同じ感覚で扱わないでください。車検は期限の直前でも受けられますが、許可は申請から下りるまでに時間がかかります。期限の1日前に申請しても間に合いません。
車両の諸元をそろえておく
申請には、車両の詳しい数値が要ります。毎回探すと時間がかかります。
そろえるのは4つです。
1つ目は、車検証の写しです。
2つ目は、諸元表です。メーカーが出している数値。
3つ目は、外観の寸法です。幅、長さ、高さ。
4つ目は、軸の配置と軸重です。
4つとも、車両ごとに1つのファイルにまとめておいてください。申請のたびに探す時間が消えます。新しい車を入れたときに、その場でそろえる運用にすると溜まりません。トレーラの場合は、牽引する車と引かれる車の両方が要ります。
費用を見積もりに入れる
特殊車両の運行は、普段の運行より費用がかかります。見積もりに入れておきます。
入れるのは4つです。
1つ目は、許可の手数料です。経路と車両の組み合わせで決まります。
2つ目は、申請の手間です。担当者の時間。外部に依頼する場合はその費用。
3つ目は、誘導車です。条件で必要になる場合、車と人の費用。
4つ目は、時間帯の制限による費用です。夜間に限られると、割増の人件費がかかります。
3つ目と4つ目が大きくなります。普段の運賃の感覚で見積もると、赤字の運行になります。条件が付く可能性を見込んで、許可が下りてから最終の金額を出す形にしている事業者もあります。
まとめ
特殊車両通行許可は、道路の限度を超える車両が通行するための許可です。
- 車両の構造で超える場合と、分割できない荷物で超える場合が対象
- 単に積みすぎている場合は過積載で、許可では解決しない
- 申請は通る道路の管理者へ。経路を決めるところに時間がかかる
- 許可には条件が付く。誘導車が必要なら、費用と人手を見積もりに入れる
- 営業に「許可に何日かかるか」を先に伝えておくと、受注の段階で調整できる
制限の値と手続きは道路と車両で変わります。自分の車両と経路に何が適用されるかは、道路管理者に確認してください。
よくある質問
Q. どのくらいの大きさから許可が要りますか。 A. 幅、長さ、高さ、重さ、最小回転半径のそれぞれに限度があります。道路によって扱いが違うものもあります。自分の車両と経路について、道路管理者に確かめてください。
Q. 積みすぎているだけの場合も許可を取れますか。 A. 取れません。分割できる荷物を積みすぎている場合は過積載です。許可の対象は、車両の構造で超える場合と、分割できない荷物を運ぶ場合です。
Q. 申請から許可までどのくらいかかりますか。 A. 経路の長さと道路管理者の数で変わります。混雑の状況で延びます。よく使う経路は、あらかじめ申請して持っておく考え方があります。
Q. 経路が複数の自治体にまたがります。 A. まとめて申請できる仕組みがあります。手続きの方法は道路管理者に確かめてください。管理者が増えるほど、期間は延びます。
Q. 許可証はどこに置きますか。 A. 車両に携行します。条件を分かりやすくまとめた紙を一緒に積んでおくと、運転者が現場で確かめられます。許可証そのものは読みにくいことがあります。
Q. 誘導車が必要と言われました。 A. 許可の条件です。その分の車と人を用意することになります。費用と人手がかかるので、見積もりの段階で入れておいてください。
Q. 期限はどう管理しますか。 A. 経路、車両、有効期間、条件を並べた一覧を作ってください。切れる前に更新します。車検や点検の期限と同じ表に入れると、まとめて見られます。
Q. 許可を取らずに通るとどうなりますか。 A. その場での通行の中止や積み替え、罰則、事業者への処分の対象になることがあります。橋や舗装を傷めた場合の負担は金額が大きくなります。
Q. 営業がその場で受注してしまいます。 A. 許可に何日かかるかを、先に営業の担当に伝えてください。「◯日前までに依頼をもらう」と決めておくと、受注の段階で調整できます。当日に断るより、はるかに揉めません。
Q. 経路を変えたい場合は、申請し直しますか。 A. 許可は経路と車両の組み合わせで出ています。経路が変われば、そのぶんの手続きが要ります。よく使う経路は複数あらかじめ取っておく事業所があります。
Q. 高さの制限はどこで確かめますか。 A. 通る経路のトンネルや高架、標識で確かめます。指定された道路では扱いが違うことがあります。事前に経路を下見する運行もあります。
Q. 申請は自分たちでできますか。 A. オンラインで申請する仕組みが用意されています。経路が複雑な場合は、行政書士などに依頼する事業者もあります。まず自分の経路でどのくらい手間がかかるかを、道路管理者に相談してください。
Q. 初めての経路は、下見が必要ですか。 A. 大きい車両なら、乗用車で1回走っておくと当日の事故が減ります。地図では通れそうでも、電柱や標識で曲がれないことがあります。高さの制限も、図面に出ていない障害物があります。
Q. 申請の担当が1人しかいません。 A. 手順と必要な書類、過去の申請の記録を残してください。同じ経路なら前回の内容をそのまま使えます。担当が替わっても続けられる形にしておいてください。
Q. 更新はいつから始めますか。 A. 期限の数か月前です。車検のように直前でも受けられるものではありません。申請から許可が下りるまでに時間がかかるので、期限の一覧を作って前倒しで動いてください。
Q. 車両の諸元はどこで分かりますか。 A. 車検証と、メーカーが出している諸元表です。車両ごとに1つのファイルにまとめておくと、申請のたびに探す時間が消えます。新しい車を入れたときにそろえてください。
Q. 見積もりはいつ出しますか。 A. 許可の条件で費用が変わるので、条件が付く可能性を見込んだ金額で出すか、許可が下りてから最終の金額を出す形にしてください。普段の運賃の感覚で出すと、赤字になります。