記録と台帳書き方2026.06.30 公開NP-05

点検整備記録簿とは?書く項目と保存の年数

目次

3か月点検は業者に出している。では、その記録はどこにあるのか。点検整備記録簿は、車に備え付けて保存することが求められています。整備工場から受け取ったまま事務所の棚に積んである、という事業所が多くあります。

この記事では、点検整備記録簿を、何を残す書類か書く項目保存の年数と場所自分たちで行う点検の記録巡回指導と車検で見られるところの順に整理します。対象となる車両と点検の周期は車種と用途で変わります。自分の車両に何が適用されるかは、所轄の運輸支局に確認してください。

点検整備の記録の様式そのものを探している場合は、商い屋に運送業向けのものがそろっています。

結論:定期点検をやったことを示す書類で、車に積んでおく

点検整備記録簿は、定期点検整備を行った結果を記録する書類です。日常点検の記録とは別のものになります。

押さえるのは3つです。

1つ目は、定期点検の記録だということです。3か月ごと、12か月ごとの点検。

2つ目は、備え付けが求められることです。車両に備え付けておくこととされています。

3つ目は、保存の年数があることです。一定の期間、保存します。

3つの性格定期点検の記録3か月ごと・12か月ごと車への備え付け事務所に積まない保存年数記載の日から1年
定期点検の記録・車への備え付け・保存年数という3つの性格を並べた層の図

2つ目が実務でいちばん抜けます。整備工場が記録を作り、事務所に届く。そこで止まって、車に戻らないという形です。受け取ったら、その日のうちに車に積む流れにしてください。

日常点検の記録との違い

似ていますが、別の記録です。混同すると、片方が抜けます。

日常点検の記録点検整備記録簿
いつ運行の前、1日1回3か月ごと、12か月ごと
誰が運転者か整備の担当整備の資格者か、事業者
何を見る外観、油量、タイヤ、灯火など定められた点検の項目
保存事業所で保存車両に備え付けて保存
日常点検の記録とは別日常点検の記録運行の前、1日1回運転者か整備の担当事業所で保存点検整備記録簿3か月・12か月ごと整備の資格者か事業者車両に備え付けて保存
日常点検の記録と点検整備記録簿で、頻度と保存の場所が違うことを並べた比較の図

保存の場所が違うところがいちばん大事です。日常点検の記録は事業所に、点検整備記録簿は車に。両方を事務所にまとめてしまうと、備え付けの要件を満たしません。

書く項目

点検整備記録簿には、定められた事項を記載します。

主なものは5つです。

1つ目は、点検の年月日です。

2つ目は、点検の結果です。項目ごとに、良否や処置。「レ」「×」「△」などの記号で書きます。

3つ目は、整備の内容です。交換した部品、調整した箇所。

4つ目は、点検または整備を実施した者です。氏名か名称。整備工場に出した場合はその名称。

5つ目は、自動車の登録番号と走行距離です。

記載する5つ点検整備記録簿年月日点検した日結果項目ごとに記号整備交換した部品実施者氏名か工場名車両番号と走行距離走行距離の欄が無いことがある次の点検の時期を判断する材料になる
年月日・点検の結果・整備の内容・実施者・車両と走行距離という5つの記載事項を並べた表

5つ目の走行距離を書いていない記録があります。次の点検の時期を判断する材料になります。書く欄が無ければ、様式に足してください。

保存の年数と場所

保存については、年数と場所の両方が決まっています。

押さえるのは3つです。

1つ目は、年数です。記載の日から1年間の保存が求められるとされています。

2つ目は、場所です。車両に備え付けます。

3つ目は、写しの扱いです。事業所で管理のために写しを持つことは構いません。原本は車にという形にします。

保存の3つの決めごと1年数記載の日から1年2場所車両に備え付ける3写し事業所で管理用に持つ
年数・備え付けの場所・写しの扱いという3つの保存の決めごとを並べたフロー
点検表テンプレート
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実際に使える様式が必要な方へ

点検整備の記録と期限の管理をまとめてやるなら、商い屋の様式が近道です。

この様式をひらく

車検証と一緒にケースに入れておく事業所が多くあります。備え付けの書類がまとまるので、探す時間が減ります。ケースの中身を一覧にして貼っておくと、抜けにも気づけます。

自分たちで点検を行う場合

3か月点検を自社で行っている事業所もあります。その場合も記録は同じです。

押さえるのは4つです。

1つ目は、点検の項目です。定められた項目を全部見ます。

2つ目は、実施する人です。整備管理者の管理のもとで行います。

3つ目は、記録の書き方です。外注した場合と同じ項目を書きます。

4つ目は、部品の交換の判断です。整備が必要な箇所を見つけたときに、誰が判断するか。

自社で行う場合の4つ押さえること中身点検の項目定められた項目を全部実施する人整備管理者の管理のもとで記録外注と同じ項目を書く整備の判断不具合を見つけたとき
点検の項目・実施する人・記録・整備の判断という4つの押さえどころを並べた表

4つ目を決めておいてください。点検で不具合が見つかったとき、そのまま運行させない判断が要ります。整備管理者が判断し、事業者が費用を出す流れを作っておきます。

整備管理者との関係

一定の台数を持つ事業所では、整備管理者を選任します。点検整備記録簿は、その仕事の中心にあります。

関係は4つです。

1つ目は、点検の計画です。いつ、どの車を点検するか。

2つ目は、点検の実施と確認です。自社で行うか、外注するか。

3つ目は、整備の実施の判断です。不具合が見つかったときの扱い。

4つ目は、記録の管理です。備え付けと保存。

整備管理者の4つの仕事計画いつどの車を点検するか実施と確認自社か外注か整備の判断不具合が出たとき記録備え付けと保存
計画・実施と確認・整備の判断・記録という4つの整備管理者の仕事を並べた層の図

1つ目を表にしておくと、期限が見えます。車ごとに、前回の点検日と次の期限。車検の期限と並べて1枚にすると、まとめて管理できます。

期限を管理する

3か月点検は、3か月ごとに来ます。台数が増えると、毎月どれかの期限が来ます。

管理の仕方は4つです。

1つ目は、車両ごとの一覧です。登録番号、前回の点検日、次の期限。

2つ目は、月ごとに並べ替えることです。その月に点検する車が見える形にします。

3つ目は、前倒しの余裕を持つことです。期限の直前だと、整備工場の予約が取れません。

4つ目は、実施した日を書き戻すことです。次の期限が自動で決まります。

3つ目が現実的に効きます。月末に集中すると、工場が混みます。月の前半に予約を取る運用にすると、期限を切らしません。

車検と重なるとき

12か月点検と車検が近い時期に来ることがあります。まとめられるかを確かめてください。

見るのは4つです。

1つ目は、時期です。車検の前後で、点検の時期が近いか。

2つ目は、内容の重なりです。点検の項目と、車検の検査の項目。

3つ目は、費用です。まとめると安くなることがあります。

4つ目は、記録の残し方です。車検のときの整備の記録と、点検整備記録簿の関係。

4つ目を整備工場に確かめてください。車検のときに定期点検も行った場合、記録簿にその旨が書かれているかを確かめます。書かれていないと、点検をしていない扱いになることがあります。

記録から次の手が見える

点検整備記録簿は、溜めると車両ごとの傾向が見えます。

見えるのは4つです。

1つ目は、よく壊れる箇所です。同じ部品の交換が続いているか。

2つ目は、車両ごとの差です。特定の車だけ整備の費用が高い。

3つ目は、使い方との関係です。特定の運行に使っている車が傷んでいないか。

4つ目は、買い替えの時期です。整備の費用が上がり続けている車。

2つ目と4つ目は、経営の判断につながります。「この車は年間これだけかかっている」という数字は、買い替えの稟議でいちばん強い材料になります。記録簿の写しを事業所で持っておく理由は、ここにもあります。

受け取りから備え付けまでの流れを作る

点検整備記録簿がいちばん止まるのは、整備工場から受け取ったあとです。流れを決めます。

流れは4段です。

1つ目は、受け取る人を決めることです。誰が工場から受け取るか。運転者か、事務か。

2つ目は、写しを取ることです。事業所で管理する分。この時点で取らないと、あとから車を探すことになります。

3つ目は、車に積むことです。車検証と同じケースへ。その日のうちに行います。

4つ目は、一覧に書き戻すことです。実施した日と、次の期限。

3つ目を翌日に回さないでください。その車が翌日に出てしまうと、次に戻ってくるまで積めません。受け取った人がそのまま車まで持っていく形にすると、止まりません。

古い記録を入れ替える

車に積む記録は、溜まっていきます。入れ替えの決めごとが要ります。

決めるのは4つです。

1つ目は、積んでおく期間です。保存が求められる期間のものを積みます。

2つ目は、抜いたものの行き先です。事業所で保管するか、処分するか。

3つ目は、入れ替える時期です。車検のとき、点検のとき。まとめてやる日を決めます。

4つ目は、ケースの中身の一覧です。何が入っているべきかを貼っておきます。

4つ目があると、抜けに気づけます。ケースを開けたときに、一覧と中身を見比べるだけです。車検証、自賠責の証明書、点検整備記録簿。この3つがそろっているかを、日常点検のついでに確かめる運用にしている事業所があります。

走行距離から点検の時期を考える

3か月という期間で管理していても、走る距離は車ごとに大きく違います。

見るのは4つです。

1つ目は、点検と点検のあいだの走行距離です。記録簿の走行距離の欄から出せます。

2つ目は、車ごとの差です。長距離に使う車と、近距離の車では倍以上違うことがあります。

3つ目は、部品の交換の周期です。距離で決まるものがあります。

4つ目は、次の点検までの見込みです。このペースなら、次の点検までにどれだけ走るか。

2つ目が分かると、点検の組み方を変えられます。距離を走る車は、期間の点検とは別に、距離で見る項目を決めておく形があります。タイヤ、ブレーキ、油脂類。整備管理者と整備工場に相談して決めてください。

まとめ

点検整備記録簿は、定期点検整備を行った結果を残す書類です。

  • 日常点検の記録とは別のもの。保存の場所も違う
  • 記載するのは、年月日、点検の結果、整備の内容、実施者、車両と走行距離
  • 車両に備え付けて、1年間保存する。事務所に積んだままにしない
  • 自社で点検を行う場合も、記載する項目は同じ
  • 溜めると車両ごとの傾向が見える。買い替えの判断の材料になる

対象となる車両と点検の周期は車種と用途で変わります。自分の車両に何が適用されるかは、所轄の運輸支局に確認してください。

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実際に使える様式が必要な方へ

点検整備の記録と期限の管理をまとめてやるなら、商い屋の様式が近道です。

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よくある質問

Q. 整備工場から受け取った記録は、どこに置きますか。 A. 車両に備え付けます。事務所に積んだままにしないことです。車検証と一緒にケースに入れておくと、まとまります。事業所で管理のために写しを持つのは構いません。

Q. 保存は何年ですか。 A. 記載の日から1年間とされています。ただし車両ごとの傾向を見たい場合は、写しをもっと長く残しておくと役に立ちます。

Q. 日常点検の記録も車に積みますか。 A. 日常点検の記録は事業所で保存します。点検整備記録簿とは保存の場所が違います。両方を事務所にまとめると、備え付けの要件を満たしません。

Q. 自社で3か月点検を行ってもよいですか。 A. 整備管理者の管理のもとで行えます。定められた項目を全部見て、同じ内容を記録します。不具合が見つかったときの判断の流れも決めておいてください。

Q. 走行距離を書く欄がありません。 A. 様式に足してください。次の点検の時期を判断する材料になります。市販の様式で足りない場合は、欄を追加した様式を作って構いません。

Q. 点検の期限を切らしてしまいました。 A. 気づいた時点で点検を行ってください。さかのぼって記録を作らないことです。切らした事実は残し、期限の管理の仕組みを直します。

Q. 車検のときに定期点検もしてもらいました。 A. 記録簿にその旨が書かれているかを確かめてください。書かれていないと、点検をしていない扱いになることがあります。整備工場に確かめてください。

Q. 整備管理者は必ず選任しますか。 A. 一定の台数を持つ事業所では選任が求められます。台数と車種で決まります。所轄の運輸支局に確かめてください。選任と解任は届け出ます。

Q. 期限の管理はどうやりますか。 A. 車両ごとに、前回の点検日と次の期限を並べた表を作ってください。月ごとに並べ替えると、その月に点検する車が見えます。車検の期限も同じ表に入れると、まとめて管理できます。

Q. 整備工場の予約が取れません。 A. 期限の直前ではなく、月の前半に予約を取る運用にしてください。月末は混みます。前倒しで点検しても、次の期限は実施日から数えます。

Q. 記録簿を紛失しました。 A. 整備を行った工場に写しがあるか確かめてください。無い場合は、その旨を記録に残します。次からは、受け取った日に写しを取る運用にしてください。

Q. 電子で管理してもよいですか。 A. 電子での管理が認められる場合がありますが、備え付けの要件をどう満たすかが問題になります。扱いは所轄の運輸支局に確かめてください。

Q. 記録から何が分かりますか。 A. よく壊れる箇所、車両ごとの費用の差、使い方との関係、買い替えの時期です。「この車は年間これだけかかっている」という数字は、買い替えの判断でいちばん強い材料になります。

Q. 記録簿が車の中で溜まっています。 A. 保存が求められる期間のものを積み、古いものは抜いて事業所で保管してください。入れ替える日を、車検か点検のときに決めておくと溜まりません。

Q. ケースの中身は何をそろえますか。 A. 車検証、自賠責の証明書、点検整備記録簿。一覧を貼っておくと、抜けに気づけます。日常点検のついでに確かめる運用にしている事業所があります。

Q. 整備工場を替えるときに、引き継ぐものはありますか。 A. 過去の点検整備記録簿の写しです。車両ごとの整備の履歴が分かると、新しい工場が状態を把握できます。同じ箇所の不具合が続いているかも伝えてください。

Q. リース車両の記録はどうなりますか。 A. 契約によって、点検と整備を誰が行うかが変わります。記録簿の備え付けの責任がどちらにあるかを契約書で確かめてください。リース会社が行う場合も、写しを受け取っておくと管理できます。

Q. 距離で管理する項目は、どう決めますか。 A. 整備管理者と整備工場に相談して決めてください。タイヤ、ブレーキ、油脂類が中心になります。車ごとの走行距離を記録簿から出すところから始まります。

Q. 記録簿の様式は決まっていますか。 A. 記載すべき事項が定められています。様式そのものは、整備工場のものや市販のもので構いません。項目が満たされているかを確かめてください。足りない欄は追加できます。