体制と期限手続き2026.08.26 公開JG-02

事業計画の変更|認可と届出の分かれ目

目次

車を増やした。営業所を移した。運行管理者が替わった。これらはすべて、運輸支局への手続きが要る場面です。ところが、認可が要るものと届出で足りるものが分かれていて、そこを間違えると手続きがやり直しになります。

この記事では、事業計画の変更を、認可と届出の分かれ目よくある変更の場面手続きの流れ出し忘れに気づいたときの動き社内の仕組みの順に整理します。手続きの区分と必要な書類は変更の内容で変わります。自分の場合に何が要るかは、所轄の運輸支局に確認してください。

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結論:先に許しをもらうものと、あとから知らせるものがある

事業計画に関わる変更は、手続きの重さが3つに分かれます。

1つ目は、認可が要るものです。先に申請して、認可を受けてから実施します。営業所の新設や位置の変更など。

2つ目は、届出で足りるものです。実施したあと、定められた期間内に届け出ます。車両数の変更など。

3つ目は、事前の届出が要るものです。実施する前に届け出ます。

手続きの重さは3つ認可認可を受けてから実施する事後の届出実施したあとに届け出る事前の届出実施する前に届け出る
認可・事後の届出・事前の届出という3つの手続きの重さを並べた層の図

1つ目を届出だと思って進めると、やり直しになります。営業所を作ってしまってから「認可が要ります」と言われると、使えない期間が生まれます。変更を考えた時点で、どちらかを確かめてください。

よくある変更の場面

実務でよく出てくるものを並べます。

1つ目は、車両数の変更です。増車、減車。

2つ目は、営業所や車庫です。新設、移転、廃止。

3つ目は、休憩や睡眠の施設です。位置や収容の人数。

4つ目は、事業者の情報です。名称、住所、代表者。

よくある4つの場面場面中身車両数増車と減車営業所と車庫新設・移転・廃止休憩睡眠施設位置と収容の人数事業者の情報名称・住所・代表者
車両数・営業所と車庫・休憩睡眠施設・事業者の情報という4つの場面を並べた表

2つ目と3つ目は、認可が要ることが多い部分です。車庫の広さや、営業所からの距離に基準があります。物件を決める前に相談してください。契約してから基準を満たさないと分かると、費用が無駄になります。

管理者の選任と解任

事業計画の変更とは別に、管理者の届出があります。混同しやすい部分です。

押さえるのは4つです。

1つ目は、運行管理者です。選任と解任のたびに届け出ます。

2つ目は、整備管理者です。同じく届け出ます。

3つ目は、人数の基準です。車両数によって、必要な人数が変わります。

4つ目は、期限です。定められた期間内に届け出ます。

管理者の4つの押さえどころ押さえること中身運行管理者選任と解任を届け出る整備管理者同じく届け出る人数の基準車両数で変わる期限定められた期間内に
運行管理者・整備管理者・人数の基準・期限という4つの押さえどころを並べた表

3つ目が増車と連動します。車を増やすと、運行管理者の必要な人数が増えることがあります。増車の手続きだけして、管理者の選任を忘れる形が起きます。車両数を変えるときは、管理者の人数も確かめてください。

手続きの流れ

認可が要る場合と届出の場合で、流れが違います。

認可の流れは4段です。

1つ目は、事前の相談です。基準を満たすかを確かめます。

2つ目は、申請です。必要な書類をそろえて出します。

3つ目は、審査です。期間がかかります。

4つ目は、認可を受けてから実施します。

認可の4段1相談基準を満たすか確かめ2申請書類をそろえて出す3審査期間がかか4認可後に実前に使い始めない
相談・申請・審査・認可後の実施という4段の認可の流れのフロー
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届出の場合は、実施と届出の順番が逆になるものがあります。どちらの順番かを、手続きの前に確かめてください。間違えると、実施していない期間の届出になったり、遅れた届出になったりします。

出し忘れに気づいたとき

何年も前の変更が、届け出られていないことがあります。

動きは3段です。

1つ目は、現状を整理することです。いまの車両数、営業所、管理者。届け出た内容と何が違うか。

2つ目は、所轄の運輸支局に相談することです。いつからずれているかを伝えます。

3つ目は、必要な手続きを行うことです。

巡回指導や監査で見つかるより、自分から相談したほうが扱いが軽く済みます。とくに事業報告書を作るときが、ずれに気づく機会になります。報告書の車両数と、届け出た内容を突き合わせてください。

社内の仕組み

手続きが漏れるのは、変更が起きたことを担当が知らないからです。

作るのは4つです。

1つ目は、変更が起きたときに連絡が来る形です。車を買う、営業所を探す、人が替わる。決める人から担当へ連絡が行く流れを作ります。

2つ目は、手続きの一覧です。どの変更に、どの手続きが要るか。

3つ目は、期限の管理です。届出の期限を予定表に入れます。

4つ目は、控えの保管です。出した書類の写しをまとめます。

1つ目がいちばん大事です。「車を買ったことを、手続きの担当が3か月後に知った」という形が起きます。車両を買う稟議の欄に「運輸支局への手続き」を入れておくだけで防げます。

増車のときに一緒に確かめること

車を増やすときは、手続き以外にも確かめることがあります。

確かめるのは4つです。

1つ目は、車庫の広さです。台数分の面積があるか。

2つ目は、運行管理者の人数です。基準を満たすか。

3つ目は、整備管理者の要件です。

4つ目は、休憩や睡眠の施設です。運転者が増える場合。

1つ目で止まることがあります。車庫がいっぱいなのに車を買ってしまうと、置く場所が無いという形になります。増車の検討を始めた時点で、車庫の残りの面積を確かめてください。

記録として残しておく

手続きの記録は、まとめて1つのファイルにします。

残すのは4つです。

1つ目は、提出した書類の控えです。受付の印があるもの。

2つ目は、認可書や受理の通知です。

3つ目は、いつ何を変えたかの一覧です。日付順に。

4つ目は、現在の事業計画の内容です。車両数、営業所、車庫、管理者。

4つ目を1枚にして最新に保ってください。「いま届け出ている内容はこれ」という紙が1枚あると、変更のたびに突き合わせられます。事業報告書を作るときにも、そのまま使えます。

認可に時間がかかることを見込む

営業所や車庫の認可は、申請してすぐ下りるものではありません。

見込むのは4つです。

1つ目は、事前の相談の期間です。基準を満たすかの確認に、何度かやり取りがあります。

2つ目は、書類をそろえる期間です。土地の図面、契約書、配置図。

3つ目は、審査の期間です。公表されている標準の期間があります。

4つ目は、実施の準備です。認可が下りてから動きます。

見込む4つの期間1事前相談何度かやり取りがある2書類の準備図面・契約書・配置図3審査標準の期間がある4実施認可が下りてから
事前相談・書類の準備・審査・実施という4段の期間を並べたフロー

4つ目を前倒ししないでください。認可を受ける前に使い始めると、手続きの違反になります。引っ越しの日程を先に決めてしまうと、認可が間に合わないときに困ります。認可が下りてから日程を決める順番にしてください。

届出の期限を管理する

届出には期限があります。遅れた届出は、指摘の対象になります。

管理するのは4つです。

1つ目は、事由が発生した日です。車を登録した日、人が替わった日。

2つ目は、期限です。事由の発生から何日以内か。

3つ目は、提出した日です。

4つ目は、控えの保管です。

1つ目を正確に押さえてください。期限は、事由が発生した日から数えます。「手続きの担当が知った日」ではありません。車を買ったら、登録の日を担当に伝える流れにしてください。

増車と減車のときの車両の扱い

車両数の変更では、車そのものの手続きも並行します。

進めるのは4つです。

1つ目は、登録です。新しい車の登録、外す車の抹消や名義の変更。

2つ目は、事業用の表示です。緑ナンバーの手続き。

3つ目は、任意保険です。加入と解約。

4つ目は、車両管理台帳への記載です。社内の記録。

並行する4つの手続き手続き中身登録新車の登録と抹消事業用の表示緑ナンバーの手続き保険加入と解約台帳社内の車両管理台帳
登録・事業用の表示・保険・台帳という4つの並行する手続きを並べた表

4つ目が抜けやすい部分です。外部への手続きは進めても、社内の台帳が古いままになります。台帳がずれていると、事業報告書の車両数もずれます。登録の手続きと同じ日に台帳も直す運用にしてください。

監査で見られるところ

監査では、届け出た内容と実態が合っているかが確かめられます。

見られるのは4つです。

1つ目は、車両数です。実際に置いてある台数と、届け出た数。

2つ目は、車庫です。場所と広さ。届け出た車庫に置いているか。

3つ目は、管理者です。選任されている人が実際にいるか。

4つ目は、営業所です。実態があるか。

2つ目でずれが見つかることがあります。車が増えて、届け出ていない場所に停めているという形です。青空駐車や路上駐車が常態化していると、重い指摘になります。車を増やす前に、置く場所を確かめてください。

新規の許可のときと同じ基準を見る

変更の認可では、新しく許可を取るときと同じ基準が見られる部分があります。

確かめるのは4つです。

1つ目は、車庫の面積です。台数分あるか。

2つ目は、営業所と車庫の距離です。基準があります。

3つ目は、休憩や睡眠の施設です。位置と収容の人数。

4つ目は、都市計画などの制限です。その場所で事業ができるか。

4つ目で止まることがあります。土地の用途地域によって、車庫として使えない場所があります。物件を探す段階で、用途地域と、運送事業の車庫として使えるかを確かめてください。不動産の仲介が知らないことがあります。

まとめ

事業計画の変更には、認可が要るものと届出で足りるものがあります。

  • 営業所や車庫の新設と移転は、認可が要ることが多い。物件を決める前に相談する
  • 車両数の変更は、運行管理者の必要な人数とつながっている
  • 管理者の選任と解任は、そのつど届け出る
  • 出し忘れに気づいたら、自分から運輸支局に相談する
  • 手続きが漏れるのは、変更が起きたことを担当が知らないから。連絡の流れを作る

手続きの区分と必要な書類は変更の内容で変わります。自分の場合に何が要るかは、所轄の運輸支局に確認してください。

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よくある質問

Q. 車を1台増やすだけでも手続きが要りますか。 A. 要ります。車両数の変更は届出の対象です。あわせて、運行管理者の必要な人数が変わらないかを確かめてください。車庫の広さも確かめます。

Q. 営業所を移すとき、いつ相談しますか。 A. 物件を決める前です。車庫の広さや、営業所からの距離に基準があります。契約してから基準を満たさないと分かると、費用が無駄になります。

Q. 認可と届出は、どう見分けますか。 A. 変更の内容によります。自分で判断せず、所轄の運輸支局に確かめてください。認可が要るものを届出だと思って進めると、やり直しになります。

Q. 運行管理者が退職しました。 A. 解任の届出と、後任の選任の届出が要ります。定められた期間内に行ってください。後任が決まっていない場合も、まず相談してください。

Q. 何年も前の変更を届け出ていません。 A. 現状を整理して、所轄の運輸支局に相談してください。巡回指導や監査で見つかるより、自分から相談したほうが扱いが軽く済みます。

Q. ずれに気づく機会はありますか。 A. 事業報告書を作るときです。報告書の車両数と、届け出た内容を突き合わせてください。営業所の数や管理者の氏名も同じように確かめます。

Q. 手続きが漏れるのを防ぐには。 A. 変更を決める人から、手続きの担当へ連絡が行く流れを作ってください。車両を買う稟議の欄に「運輸支局への手続き」を入れるだけで、多くが防げます。

Q. 車庫を増やすだけでも手続きが要りますか。 A. 車庫の位置や面積の変更は、手続きの対象になります。認可か届出かは内容によります。所轄の運輸支局に確かめてください。

Q. 代表者が替わりました。 A. 事業者の情報の変更として手続きが要ります。名称、住所、代表者は、いずれも対象になります。登記の変更と一緒に進めてください。

Q. 提出の控えは何年残しますか。 A. 法令で定められた年数に従いますが、現在の事業計画の内容を示す書類は、期限にかかわらず残してください。いま届け出ている内容が分からなくなると、変更のたびに調べ直すことになります。

Q. 休憩や睡眠の施設にも基準がありますか。 A. あります。位置や収容の人数についての基準です。運転者が増えるときは、あわせて確かめてください。増車の検討の段階で見ておくと、あとで困りません。

Q. 手続きに必要な書類は何ですか。 A. 変更の内容によって違います。所轄の運輸支局に確かめてください。車庫の変更なら、土地の図面や賃貸借の契約書などが求められます。事前の相談のときに一覧をもらってください。

Q. 認可が下りる前に営業所を使い始めてもよいですか。 A. いけません。認可を受けてから実施します。引っ越しの日程を先に決めると、認可が間に合わないときに困ります。認可が下りてから日程を決めてください。

Q. 届出の期限は、いつから数えますか。 A. 事由が発生した日からです。「担当が知った日」ではありません。車を買ったら登録の日を、人が替わったらその日を、担当に伝える流れを作ってください。

Q. 車を外したときの手続きは何ですか。 A. 登録の抹消か名義の変更、事業用の表示の返納、保険の解約、そして車両数の変更の届出です。社内の車両管理台帳も同じ日に直してください。台帳がずれると、事業報告書もずれます。

Q. 監査では何を見られますか。 A. 届け出た内容と実態が合っているかです。車両数、車庫、管理者、営業所。届け出ていない場所に停めている状態は重い指摘になります。車を増やす前に置く場所を確かめてください。

Q. 車庫に使える土地かどうか、どう確かめますか。 A. 用途地域などの制限を確かめます。不動産の仲介が知らないことがあります。所轄の運輸支局に相談し、市区町村の都市計画の担当にも確かめてください。契約の前に確かめます。

Q. 営業所と車庫の距離に決まりがありますか。 A. 基準があります。離れすぎていると認可されません。物件を探す段階で、既存の営業所からの距離を確かめてください。所轄の運輸支局に相談すると、判断の目安を教えてもらえます。