体制と期限解説2026.07.08 公開KG-05

運行管理者の講習とは?2年ごとの一般講習と期限の管理

目次

運行管理者の資格は取った。選任の届出も出した。けれど、そのあとに受ける講習の周期があいまいなまま来ている。前回いつ受けたかも、すぐには出てこない。巡回指導で聞かれて初めて調べる、という形になりがちです。

この記事では、運行管理者の講習を、種類・周期・期限の管理の3つに分けて整理します。読み終えたときに、自社の運行管理者が次にいつ受けるのかを、表で管理できる状態を目指します。

選任と届出のほうから確かめたい方は、こちらを読むと早いです。→ 運行管理者の選任

結論:運行管理者の講習は3種類。周期は2年ごとが基本

運行管理者の講習とは、選任されている運行管理者が定期的に受ける講習のことです。資格を取ったあとも、受け続ける仕組みになっています。

一般には、講習は3つに分かれるとされています。基礎講習・一般講習・特別講習です。このうち、選任されている運行管理者が定期的に受けるのは一般講習にあたります。

ポイントはここです。周期は2年ごとが基本とされています。1年ごとではなく、3年ごとでもありません。前回いつ受けたかが分かっていないと、この2年が数えられません。

3つの講習は場面が違う講習受ける場面基礎講習資格を取るとき・新たに選任一般講習選任されている間、2年ごと特別講習事故や処分があったとき補助者基礎講習の修了が要件
基礎講習・一般講習・特別講習の3つを、受ける場面で分けた表

受けていない期間があると、巡回指導や監査で指摘されます。講習は受けたかどうかが修了証で分かるので、書類だけで判断される項目です。

3つの講習は、受ける場面が違う

3つの違いは、いつ受けるかで分かれます。

基礎講習は、資格者証を取るときや、新たに選任されたときに受けるものです。運行管理者試験を受けるための要件として、実務の経験に代えて基礎講習の修了が使われる形もあります。

一般講習は、選任されている運行管理者が定期的に受けるものです。2年ごとが基本になります。

特別講習は、事故や処分があった場合に受けるものです。重大な事故を起こしたり、行政処分を受けたりした営業所の運行管理者が対象になります。受けさせることが求められる形で、任意の受講ではありません。

受ける場面は3つ選任した年度基礎か一般を受ける2年ごと一般講習を受け続ける事故や処分特別講習を受ける
新たに選任されたとき・定期・事故や処分のあと、という3つの場面を並べた層の図

新たに選任した運行管理者は、選任した年度に基礎講習か一般講習を受ける扱いになる形があります。選任してから2年待つのではありません。ここを取り違えると、最初の1回が抜けます。

2年の数え方は「年度」で見る

つまずきやすいのが、2年の数え方です。受けた日から丸2年ではなく、年度で数える扱いとされています。

たとえば、ある年度に受けたなら、その翌年度は受けなくてよく、その次の年度に受ける、という形になります。月日で数えると、早すぎたり遅すぎたりします。

数えるのは年度受けた年度3月に受けてもその年度翌年度受けなくてよい翌々年度ここで受けるまた2年後同じ周期でくり返す月日で数えると早すぎたり遅すぎたりする
年度で数える2年の周期を、受けた年度と次の年度で示した時系列の図

年度は4月から翌年3月までです。3月に受けた場合と4月に受けた場合では、次に受ける時期が1年ずれます。3月に受けた人は、その年度のぶんとして数えられるため、次は翌々年度になります。

自社の運行管理者が複数いる場合、それぞれで年度がばらつきます。全員をまとめて同じ年に受けさせようとすると、どこかで空白ができます。人ごとに管理するのが原則です。

ばらつくこと自体は悪いことではありません。全員が同じ年度に受ける形にすると、その年だけ事業所が手薄になります。半分ずつずらしておくと、毎年誰かが最新の内容を持ち帰る形になります。

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実際に使える様式が必要な方へ

講習や車検、免許証の期限をまとめて管理できるExcelの表が、点検板のテンプレートのページにあります。この記事は講習の中身の側の話です。

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期限を切らさない管理のしかた

講習の期限は、車検や免許証と同じ表で管理します。別の表にすると、見に行く先が増えて忘れます。

作るのは、人ごとに1行の表です。列は、氏名、資格者証の番号、前回受けた年月日、受けた種類、次に受ける年度、修了証の保管場所の6つ。次に受ける年度を数式で出す形にしておくと、更新の手間が消えます。

人ごとに1行で持つ講習の期限の管理表氏名選任・補助者の別も資格番号資格者証の番号前回受けた年月日と年度次回前回から自動で出す修了証写しの保管場所車検や免許証と同じ表に入れる表を増やさない
運行管理者ごとの講習の期限を管理する表の見本

年度の初めに、その年度に受ける人を抜き出して並べます。講習は開催の回数が限られているので、早めに申し込まないと年度末に詰まります。2月と3月は満席になりやすいため、上半期に済ませておく形が安全です。

申し込みの担当も決めておきます。本人任せにすると、忙しい時期に後回しになります。総務が一括で申し込む形にしておくと、抜けが出ません。受講の日は、配車の担当にも伝えて便を入れないようにします。

年度の途中で運行管理者が入れ替わった場合は、その時点で表を直します。前任者の行を消すのではなく、選任を解いた日を書いて残しておくと、過去の期間について聞かれたときに答えられます。

修了証は、原本を本人が持ち、写しを会社で保管する形が一般的です。巡回指導では写しを見せることになるので、選任の届出の控えと同じ場所に綴じておくと探す時間が消えます。

補助者の講習も忘れない

運行管理者の補助者を置いている場合、補助者にも要件があります。基礎講習を修了していることが、補助者になるための条件の1つとされています。

補助者は、点呼の一部を行うことができる立場です。補助者が要件を満たしていないと、その補助者が行った点呼の扱いが問題になります。人を置いただけでは足りないという点は、運行管理者と同じです。

運行管理者と補助者で違う運行管理者資格者証が要る2年ごとに一般講習選任の届出も要る補助者基礎講習の修了が要件定期の講習は別の扱い届出は求められない
運行管理者と補助者で、求められる講習の違いを並べた比較の図

補助者の情報も、同じ期限の表に入れておきます。行を分ける必要はなく、立場の列を1つ足せば足ります。人が入れ替わったときに、誰が要件を満たしているかがその場で分かります。

補助者が行える点呼の範囲にも決まりがあります。すべての点呼を補助者が行う形は取れず、一定の割合は運行管理者が行うとされています。人数の手当てだけでなく、誰が何回行ったかを記録から確かめられる形にしておきます。

点呼記録簿に「点呼を行った人」の欄があるのは、このためです。氏名が空欄だと、運行管理者が行ったのか補助者が行ったのかが分かりません。欄を埋めることが、そのまま要件を満たしている証拠になります。

講習の中身は、社内へ持ち帰る

講習を受けると、法令の改正や事故の事例が扱われます。受けた人だけが知っている状態にしないのが、もったいなくない使い方です。

持ち帰った内容は、乗務員教育の材料になります。12項目のうち、心構えや健康管理、事故の要因といった項目は、講習の資料がそのまま使えます。年間計画の1回分を、講習の報告に充てる形にしている事業所もあります。

報告の形は、A4で1枚あれば足ります。受けた日、扱われた内容、自社に関係するところ、直すべきところ。「自社に関係するところ」を書く欄があると、聞き流しになりません。

法令の改正は、社内の様式に影響することがあります。点呼記録簿の項目が増えた、保存の期間が変わった、といった変更は、講習で知ることが多くあります。戻ったその週に、様式を見直す時間を取っておくと、改正への対応が遅れません。

運行管理者が辞めたときに何が起きるか

期限の管理と同じくらい効いてくるのが、人が抜けたときです。運行管理者は営業所ごとに必要な人数が定められており、車両の数が増えると必要な人数も増えます。

1人しか選任していない営業所で、その人が辞めると、その日から要件を満たさない状態になります。資格を持っている人がすぐに見つからなければ、営業所の運営そのものに影響します。

備えは2つです。1つ目は、資格を持っている人を必要な人数より多く確保しておくことです。選任するかどうかは別として、有資格者がいれば入れ替えられます。

2つ目は、補助者を育てておくことです。補助者は基礎講習の修了が要件とされているため、受けさせておくと、そこから運行管理者を目指す道もできます。

選任している人数と、持っている人数有資格者多めに確保しておく選任している人台数で決まる必要人数補助者基礎講習から育てる
有資格者の人数と、選任している人数の関係を示した層の図

期限の表には、選任している人だけでなく、資格を持っているが選任していない人も入れておきます。いざというときに誰を立てられるかが、その表で分かります。

まとめ

運行管理者の講習は、基礎講習・一般講習・特別講習の3つに分かれます。選任されている運行管理者が定期的に受けるのは一般講習で、周期は2年ごとが基本とされています。

2年は年度で数える扱いです。月日で数えると早すぎたり遅すぎたりします。新たに選任した運行管理者は、選任した年度に受ける形になるため、最初の1回が抜けやすいところです。

期限は、車検や免許証と同じ表で管理します。人ごとに1行を持ち、次に受ける年度を出しておきます。講習は年度末に詰まるので、上半期に済ませる形が安全です。

補助者には基礎講習の修了が求められます。同じ表に立場の列を足して管理します。自社の状況で判断に迷う点は、所轄の運輸支局に確かめるのが確実です。

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実際に使える様式が必要な方へ

講習・車検・免許証の期限を1枚でまとめて管理できるExcelの表が、点検板のテンプレートのページにあります。人ごとの行に、そのまま足せる形です。

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よくある質問

Q. 講習を受けなかった場合、資格が失われますか。 A. 資格者証そのものが直ちに失われるわけではありませんが、選任されている運行管理者が定期的な講習を受けていないことは、指導や監査で指摘の対象になります。営業所としての違反として扱われる形です。

Q. 一般講習はどこで受けられますか。 A. 国土交通大臣が認定した講習の実施機関が行っています。各都道府県で開催されており、日程は実施機関の案内で確かめます。オンラインで受けられる形が用意されていることもあります。

Q. 複数の営業所で選任されている場合、講習は1回で足りますか。 A. 講習は人に対して行われるものなので、1人が1回受ければ足りる形になります。ただし、複数の営業所での選任が認められるかどうかは別の話で、営業所ごとに必要な人数が定められています。

Q. 前回いつ受けたか分からない場合はどうしますか。 A. 修了証に日付が記載されています。手元に無い場合は、講習の実施機関に問い合わせると確かめられることがあります。分からないまま待つより、受けてしまうほうが安全です。

Q. 特別講習は、どういう場合に受けることになりますか。 A. 重大な事故を起こした営業所や、行政処分を受けた営業所の運行管理者が対象になります。指示を受けてから受講する形になるため、日程は指示の内容に従います。

Q. 講習の費用は会社が負担しますか。 A. 会社の業務として受けるものなので、費用と時間を会社が負担する形が一般的です。就業時間内に受けられるようにしておくと、期限切れが起きにくくなります。

Q. 運行管理者に必要な人数は、どう決まりますか。 A. 営業所が保有する事業用自動車の数によって決まる形が定められています。車両が増えると必要な人数も増えるため、増車の計画がある場合は、有資格者の手当ても一緒に考えます。自社の台数で何人必要かは、所轄の運輸支局に確かめるのが確実です。

Q. 講習を受けた記録は、どれくらい残しますか。 A. 修了証の写しは、選任している間は手元に残しておきます。過去の分も、前回いつ受けたかを示す材料になるため、少なくとも直近の2回分は残しておくと安心です。

Q. オンラインで受けた講習も、同じ扱いになりますか。 A. 認定された実施機関が行うものであれば、受講の方法で扱いが変わるわけではありません。修了証が発行されるかどうか、申し込みのときに確かめておきます。

Q. 選任していない有資格者にも、一般講習を受けさせる必要がありますか。 A. 定期的な講習が求められるのは、選任されている運行管理者です。選任していない有資格者に義務があるわけではありません。ただし、いざというときに立てる人を用意しておく意味では、受けさせておくと切り替えが早くなります。

Q. 基礎講習と一般講習は、どちらを受ければよいですか。 A. 新たに選任された年度は基礎講習または一般講習、その後は一般講習を定期的に受ける形が基本です。既に基礎講習を修了している場合は、一般講習を受けることになります。迷う場合は、講習の実施機関に資格者証の内容を伝えて確かめます。

Q. 講習の日に運行管理者が不在になりますが、どうすればよいですか。 A. 講習は1日で終わることが多いため、その日は補助者や別の運行管理者が業務を担う形になります。営業所に必要な人数が1人の場合でも、不在の日をどう回すかを先に決めておきます。点呼の時間帯に人が立てるかどうかが要点です。

Q. 講習を受けた年度と、受けていない年度が交互になる形でよいですか。 A. 2年ごとが基本とされているため、受けた年度の翌々年度に受ける形になります。年度の区切りで数えるので、自社の記録には受けた年月日と年度の両方を書いておくと数え違いが起きません。